はじめに
どうも。お米です。
COVID-19の感染拡大が止まりません。当然ですが。
「第5波」と言われたりしていますが、そもそも「第4波」収まったという意識がある人どれくらいいるんだろ?
ともあれ東京では新規感染判明者数が増え続けています。
そして、緊急事態宣言が8月末まで延長されることが決定。
それに伴い、菅首相が2021年7月30日に記者会見を行いました。
毎度のことながら今回も記者会見を読み解いていこうと思います。
では書きます。
記者会見

https://pixabay.com/users/goranmx-168090/
今回も首相官邸が記者会見を文字起こししてくれています。
動画では聞きづらい部分もしっかり文字起こしされているのでありがたいです。
抜き出してツッコみますので文脈的に知りたい方は一読されることをオススメします。
デルタ株の影響
「大きな要因として指摘されるのが、変異株の中でも世界的に猛威を振るっているデルタ株です。」
まぁ判っていたことじゃないですかね?
この後の質問部分でも言われますが、インドで感染爆発した4月あたりにデルタ株の影響が指摘されていました。にも関わらず空港での水際対策は抗原検査という発見精度の低い検査のままで、しばらくしてから入国制限。
ただ、そもそもそれだけじゃなく、検査体制の拡充を今までしてこなかったことが大きな問題です。
安倍前首相が首相当時に言った「年内に国内でのワクチン開発出来る」という何の根拠もない想定に頼ることにより、他国ではやっていた「検査体制の拡充」に着手しなかった、という経緯は忘れてはいけません。
高齢者の73パーセントが2回の接種完了
「既に高齢者の73パーセントが2回の接種を完了する中で、これまでの感染拡大期とは明らかに異なる特徴が見られております。東京における65歳以上の新規感染者の数は、感染が急拡大する中にあっても、本日も82人にとどまり、その割合は4月までの20パーセント台から、今では2パーセント台に低下しております。」
確か菅首相は「7月末までに希望する高齢者全てに2回接種を完了させる」ということでしたが、実現できなかったということですかね。
「高齢者の重傷者数が少ない」ということをこの後も何度か言いますが、ワクチン接種が進んだのなら当然の結果と言えると思います。
若い世代での感染が急拡大
「1つは、若い世代での感染が急拡大をいたしていることであります。東京では30代以下の感染者の割合が7割に達し、中でも20代の感染者が連日1,000人を超えています。そして40代、50代の重症者が増加傾向にあり、1月と比較しても1.5倍という水準となっております。」
高齢者へのワクチン接種を優先させたのは、死亡リスクを考慮しての判断だったと思いますし、その判断を否定する気はありませんが、違った選択肢として、労働で移動することの多い20歳~65歳から先にワクチン接種するという判断もありだったんじゃないか、という考え方もあります。
邪推だと思いたいですが、投票率が高く比較的現政権を支持する人が多い高齢者からワクチン接種を優先させた、という見方をする人もいます。
何にせよ仕事により自宅に籠ることが出来ない、そしてワクチン接種率が低い世代の感染が増えているというのも、まぁ予測出来たものとも言えます。
自粛疲れの広がり
「自粛の期間が長期化する中で、自粛疲れの広がりが懸念されております。特に若い世代の方々からは、コロナは怖い病気ではない、こうした声も聞かれます。」
もちろんこう思っている人もいると思います。
ただ、政治家の飲み会報道、政治資金パーティー実施の報道、そしてこのコロナ禍でのオリンピック開催など、権力者側の発してきたメッセージを正しく受け取れば、「自分たちだけ我慢させられるのは不公平」と考える国民がいるのは当然だろうと思います。
信用を失った権力者が「不要不急の外出や、移動の自粛をお願いします。」といくら訴えても、聞き入れてもらえない可能性が高いのではないでしょうか。
東京の歓楽街の人流は減少傾向
「オリンピックが始まっても、交通規制やテレワーク、さらには皆さんの御協力によって東京の歓楽街の人流は減少傾向にあります。」
「東京の歓楽街」がどこなのかは、まぁあそこかな?というのはありますが、はっきりとは言いませんよねこういう場合。
もちろんはっきり言うと支障あるという部分もありますが、ある程度ざっくりと地域を言わないと本当かどうかわからない。データを示せ、ということです。
ファクトチェックさせない、どこぞの大統領の言ったことでいう「オルタナティブファクト」というふうに、逃げることが出来る曖昧な言い方をしてあとではぐらかせる表現方法を前政権から引き継いでいるので、些細な部分ですが大事なことなので触れておきます。
予想を上回るペース
「幸いなことに、全国の多くの方々の協力を得て、自治体・医療機関での接種は1日130万回、企業・大学での接種は1日20万回と、予想を上回るペースで進んでいます。」
先ほどの指摘と通じる部分ですが、「予想を上回るペース」という言い方、これは自分たちで勝手に低く設定して結果上回ったんだ、という「成果を作り出す言い方」とも言えます。
些細な部分ですが指摘しておきます。
アストラゼネカ製ワクチン
「40代以上の方に接種が可能となるアストラゼネカ製のワクチンが承認されました。政府において200万回分が既に確保されており、希望する自治体などに速やかに提供してまいります。」
え?200万回分?少なっ!と思いましたが、改めてみると疑問なのは「40代以上の方に接種が可能」という部分です。
こちらの記事に「極めてまれに血栓が生じるリスクがあると指摘されていることを踏まえ40歳未満には原則、接種しない方針」とあります。
この書き方だと、40歳未満だから血栓リスクがあるんじゃなく、血栓リスクがあるから40歳以上に、ということなんでしょうね。
あとこの記事で気になったのは、ワクチンって承認してから購入をするんじゃなく、購入してから承認するか決めるんだ、というところです。
非常事態だった、ということなんでしょうが、他社製ワクチンが足りないから承認した、という風にしか思えないのですけど。だとしたら余計不安なんですけど。
個人的には、選べるなら打ちたくないです。
効果的な治療薬
「これまで軽症者や中等症者には効果的な治療薬がありませんでしたが、こうした方の重症化リスクを7割減らす画期的な治療薬が今月19日に承認されました。」
なるほど。いきなり重症化するわけじゃなく軽症や中等症から重症化していくんですね。だから入院することが出来ずに亡くなる人がいるのか。そうかそうか。
軽症中等症患者がホテル療養や自宅療養中に一転重症化するリスクがあるとなると、そもそも入院出来ないから仕方なく他で療養、というのは良くないってことですね。
いつそういう人が重症化してもいいように病床に余裕を持たせていないといけませんね。
それが出来ていないのだとすれば、それは「医療崩壊」と言えるのでは?
あとこの後の質疑応答で治療薬について菅首相が再三発言しますが、その文脈にも注目です。
「それ治療薬で防げないことでは?」という場面にたびたび登場します。
まとめ

Photo by Tatyana Eremina on Unsplash
やはり長くなってしまったので、質疑応答部分についてはまた別でまとめます。
国民は、権力者が何を言っているかじゃなく、何をしているかを見ています。
こういう記者会見も、そしてぶら下がり取材時の対応も、菅首相が何を発言しどう行動するかを見ることができる大事な資料です。
もうすぐ大きな選挙がありますので、しっかり観察しておきましょう。
ということで。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
では。
コメント