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はじめに
どうも。お米です。
先日書いた2021年7月30日の記者会見冒頭部分に続き、各メディアとの質疑応答部分について、私が気になった部分を抽出します。
COVID-19の感染拡大により、日本はある種「緊急事態」とも言える状況だと思いますが、記者会見冒頭部分での菅首相の発言からは新しい感染拡大阻止への対策は無く、ワクチン接種の進捗状況(まだ高齢者に打ち終えていない)、そして重傷者への治療薬の話くらいしか聞きどころは無かったかな、と思います。
冒頭部分を踏まえた質問もありますので、全体を確認することをオススメします。
それでは書きます。
記者会見の気になる部分

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質疑応答の始めに、内閣広報官からルールのようなものが説明されます。
「指名を受けられました方は、お近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、社名とお名前を明らかにしていただいた上で、1問ずつ御質問をお願いいたします。」
今はコロナ禍での対策として、記者会見に出れる人は限られます。抽選制なようです。
そして各メディア1問ずつなんですが、何故か質問できずに終わるメディアもあります。今回もありました。
質問に対して明確に答えないで次の質問に移ることも問題ですが、出席出来た人が質問出来ない状況は改めてもらいたいです。
前にも書きましたが、メディアは国民の代弁者であり、そのメディアへの対応は国民への対応とイコールです。
コロナ禍での抽選制はまだ理解できますが、質問できない人が出る、いや、質問出来ない人を出すことは、首相側の国民への態度です。
少数なら見捨ててもいいと?
メディア質問気になった部分

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それでは、私が気になった部分を抜き出してみます。
全文気になるという方は、こちらでご確認ください。
今回も分科会の尾身茂会長が同席しています。
自らの責任
北海道新聞さんの質問です。
1つの質問にいくつかの質問が入ってますので抜き出してみます。
1.過去最多感染者が出てしまったことへの理由と責任
2.首相メッセージの発信の仕方の問題
3.感染の波をどうやって収束させるか
4.国民の健康と安全は守られているか
5.オリパラこのまま続けるのか
これについて答えた部分は、
1.理由はデルタ株・繁華街の人流が減ってない
2.特になし
3.ワクチン接種が決め手
4.特になし
5.交通規制等により人流減っている
どこかでは減っているが、減っていないところもあるというどっちつかずな答え。そして決め手にはなりえないワクチン接種が大事と話しました。
自身の責任への言及、発信の仕方の問題点への言及はナシです。
時短要請に応じない店への対応
フジテレビさんの質問です。
1.時短要請に応じない店への対応
2.人流減ってワクチン接種が進んでいると首相は言うが、なぜ感染急拡大したか
これに対しての菅首相の答えは、長い上に中身がないんですが、「対応する」「人流は減らしたし減っている」くらいのことを言ってます。
ワクチン接種について
日経新聞さんの質問です。
1.会見冒頭部分で菅首相が言った「8月末までに国民の4割接種」の具体的な進め方
2.効果的な感染防止をどうやるか
これについて菅首相は
1.高齢者への接種は目標達成できたと「思っている」
2.職域接種、大学での接種、アストラゼネカ製ワクチン接種
という答え。
高齢者接種は、会見冒頭部分で「73%が2回接種完了」と言ってましたが、目標は「希望する高齢者全員接種」だったはず。いつの間にか自身で定めた目標変えました?それとも27%の高齢者は希望してないって?本当に?
血栓発生の可能性を指摘されているアストラゼネカ製ワクチン、私は出来れば避けたいです。
感染再拡大の責任について更問い
神戸新聞さんの質問です。
1.医療崩壊おそれへの対応
2.感染再拡大の責任(更問い)
神戸新聞さん、更問いグッジョブです。これについての答えは、
1.東京4月以降に病床増やした・画期的治療薬・ワクチン接種
2.できるだけ早く収めるのが責任
4月以降に増やした病床が埋まってきているから問題なんです。そして、画期的治療薬「抗体カクテル療法」は点滴なんで、病院での対応が主なのでは?自宅で、と言われても、それが出来る人的資源があるんですかね?
あと、感染拡大の責任について「できるだけ早く収めるのが責任」ってどういうことなんでしょ。勝手に違う責任で覆ってません?「感染収めたら辞任する」と言えば、責任取るという覚悟が見えますけど。
人流を減らす具体的方法
フリーランスの江川紹子さんの質問です。
人流を減らす具体的な目標と方法について質問しました。
菅首相は何かを言いましたが、江川さんから「具体的な目標を」と更問いされ答えず、尾身会長にパス。
そして尾身会長からは「皆さんで協力して減らしていきましょう」と。
どちらも具体的な目標については出てこなかったです。
菅首相が言うべきことを尾身会長が言った感じですかね。
ロックダウンを可能にする法整備の必要性
時事通信さんの質問です。
ロックダウンを可能にする法整備を必要性について検討されているか。
これについて菅首相は「日本にはなじまない」と。
尾身会長は、まずは「気楽に受けられる検査が必要」、その上で抑えられなかった場合に法的な規制も検討、ということでした。
これは少し邪推してしまいますが、「法的な規制」が必要だと菅首相も思っているんだと思います。ただ、反発があることを鑑みて「言わない」という選択をしたのではないでしょうか。そして、尾身会長が言うことで「分科会が言っているから、、、」という流れで議論を進めようとしてくる気がします。
何にせよ、ロックダウンよりも検査の拡充は大事だと私も思います。
黒い雨
中国新聞さんの質問です。
1.広島・長崎の原爆の日に現地参列するか
2.「黒い雨」訴訟が長引いた経緯
これについて菅首相は、
1.日程が許す限り参加したい
2.上告しないよう判断した
1.についてはいいとして、2.については、ちゃんと答えていません。
黒い雨訴訟とは、原爆投下の後に降った雨(黒い雨)によって被ばくした人が「被ばく者として認めるべき」として起こした訴訟のこと。国は争う姿勢を示していたが、今回一転上告断念しました。
黒い雨についてのWikipediaはこちら。
上告断念までの流れは非常に残念ですが、上告しないという判断は「菅首相就任後初の良判断」と言われています。私も同意。
首相のメッセージの出し方
文化放送さんの質問です。
どう国民と危機意識を共有するか、どうやって国民に危機意識を持ってもらうか、という質問です。
菅首相はざっくり言えば「これまで通り」ということです。
ここでは、尾身会長の言葉が重要だと感じました。
「言葉は必要であって十分ではない」
「(政府、自治体、国のリーダーが)今まで以上に汗をかいていることを見せる」
私も、何を言っているかじゃなく、何をしているかが重要だと思っていますので、この意見には賛成です。
甘い根拠なき楽観主義
JDW(Janes Defence Weekly)さんの質問です。
非常にイイ質問ですので、すべて読んでいただきたいです。
その中で質問部分を抜き出すと、
1.デルタ株を見くびっていた、その甘い根拠なき楽観主義の下でオリンピック開催していることが感染を引き起こしているのではないか
2.もしこの感染の波を止められずに医療崩壊して救うべき命が救えなくなったとき、総理の職を辞職する覚悟はあるか
非常に直球の質問です。これについて菅首相は、
1.水際対策している
とだけ答えて終わりそうになったので、「辞職する覚悟」についてもう一度質問しました。
菅首相「私がこの感染対策を自分の責任の下にしっかりと対応することが私の責任で、私はできると思っています。」
まとめ

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毎度のことながら、答えない場面があったり、まだ質問者がいるのに会見を終わらせたりと、不誠実な対応を見せた菅首相。
会見もちゃんと出来ない人に何ができるんでしょう。
こういう姿勢だから国民は首相の言葉を信用しない、信じてもらえないんだと思います。
この非常時にこの首相、最悪な組み合わせなのかもしれません。
もうすぐある選挙までしっかり生き延びて、投票しようと思います。

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ということで。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
では。
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