
Photo by Roman Kraft on Unsplash
はじめに
どうも。お米です。
先日に続いて、記者会見を読み込んでいこうと思います。
冒頭部分では自画自賛していましたが、なら何故支持率が低かったのか、自分で気付いてないのか?という疑問が浮かびます。
菅義偉氏は、官僚を圧力によって支配してきた経験があるようで、首相になってからも圧力を用いて自分に都合のいい、ともすれば見通しの甘い意見ばかり集め、それを信じて政策を行ってきたことにより、COVID-19の感染拡大を招いたとの見方が強いです。
そんな人ですので、自分が支持されていないことに本当に気付いていないのかもしれません。
今回の総裁選出馬断念も、表向きは「コロナ対策に専念する」としていますが、実際は党内での支持を失ったことで総裁選に出ても負けるから、という理由が本当の理由でしょう。
私としては、そもそもこのコロナ禍という緊急事態の中で総裁選をやるということ自体疑問ですので、菅首相のままでいればよかったのに、と思っています。
ま、衆院選は負けるかもしれませんが。
ということで、書いてみます。
記者会見(質疑応答)

https://pixabay.com/users/goranmx-168090/
2021年9月9日木曜日の記者会見です。
首相官邸のホームページで文字起こしが読めます。
質疑応答に行く前に。
記者会見で最初に質問する幹事社って何?と思って調べたら、すぐ出てきました。
『官邸側に対する各社の要望や意見を取りまとめて連絡(れんらく)・調整する時の「窓口(まどぐち)役」を務める会社を幹事社といいます。』
ということらしいです。
記者会見で質問者がまだいるのに終わってしまうのは、幹事社のせいと考えていいんですかね?
では、私の気になった部分を抜き出してみます。
海外の先行例を参考にした??
今回の幹事社、日本テレビさんの質問です。
『この1年を振り返って、新型コロナ対策を総括して、どこに問題があったのか、できなかったこと、反省すべき点について、国民に対し、自らの考えを具体的に説明してください。』
これに対して菅首相は、こう答えています。
『この1年間、コロナ対策に全力で取り組んできました。その中で、当時は正にコロナの全体像というのが全く分からない中で、先生方や海外の先行例を参考にしながら感染対策を行ってきました。そして、やはり医療体制をなかなか確保することができなかったというのは大きな反省点であるというふうに思っています。正にこの感染症法の改正によって、国や地方自治体が病床提供に対して、要請や、また、できなければ公表ができるようになりました。そういう中で、例えば東京都には厚生労働大臣と知事と両名でその要請を出しましたが、必ずしも十分な効果が得られているわけではなかったというふうに思っています。』
気になったのは2点。
①『海外の先行例を参考にしながら』と言ってますが、先進国どの国も検査体制の構築を行っていますが、これは日本ではほぼやってません。むしろそれを最初にやったのは民間です。PCR検査抑制によって、無症状者が感染を広めてしまったことは間違いないと思うんですがどうなんでしょうか。世界から見れば、日本は検査数が少なすぎてデータが参考にならないと初期から言われていました。これは前首相の安倍晋三さんの時に決まったことを踏襲した形なので、安倍、そして菅両氏に責任があると言えます。
②『国や地方自治体が病床提供に対して、要請や、また、できなければ公表ができるようになりました。そういう中で、例えば東京都には厚生労働大臣と知事と両名でその要請を出しましたが、必ずしも十分な効果が得られているわけではなかったというふうに思っています』と言ってますが、効果がないのはその行動に意味がないから、つまりやり方が違うからじゃないですかね。結果が出てないのは、自分たちのやり方が間違っていたからです。
ワクチンが切り札
今回の幹事社、日本テレビさんの質問の中からもう一つ。
『この感染対策について、私はやはりワクチンが切り札だと思っています。』
まだワクチンが切り札だとか言ってます。もう世界はそれだけじゃ足りないとなっているのに、『海外の先行例を参考に』していないから未だにワクチンだけにすがっているんじゃないですか?ワクチンくらいしか自慢出来ないからでしょうけど。
分科会の尾身茂会長も『このワクチンは非常に優れたワクチンですけれども、どうも期限が切れると少しずつ免疫力が落ちるということも大体分かってきていますので』と言っています。そして、『ワクチン検査パッケージの運用については、できるだけ早く国民的な議論を進めていただければ』とも言ってます。検査の大事さを尾身会長は主張しています。
菅首相は『ロックダウンではなかなかコロナの感染拡大を阻止することはできなかった』と言っています。ロックダウンだけでは阻止出来ません。同じように、ワクチンだけでは阻止できません。検査体制の拡充が迫られますが、その後この政権はこんな結論を出してきました。
ワクチン接種は無料、検査は有料という結論です。これではパッケージとは呼べません。
また専門家の意見を無視しています。そんなんだから支持率低いですよ。
総裁選に出馬しない
同じく幹事社、読売新聞さんの質問です。
『総裁選に出馬しないことを決められた経緯についてお伺いしたいと思います。総理は、3日午前の党臨時役員会で出馬しない考えを表明されたのですが、最終的に決断されたのは、いつ、どのようなときだったのでしょうか。』
これに対して菅首相は、『コロナ対策と、それと公務がありますから、これを行っている中で総裁選挙に出馬していくというのは、そこはとてつもないエネルギーが必要』ということで、「コロナ対策に専念するために出馬断念」ということですね。
では、過去を思い出してみます。
安倍晋三さんが自民党総裁選を無投票で終え、再び総裁になったという、2015年9月8日の記事です。
今はコロナ禍、緊急事態です。自民党総裁選をやっている暇は無い、と考えるのが普通です。何故こうしなかったのか。何故菅首相を継続させなかったのか。こちらの方がコロナ対策になるのでは?
答えは至極単純、簡単なことですが、それは自民党の都合です。自分たちの都合により国民は2の次になっています。なぜ多くのメディアでこういう疑問がなされず、次の総裁にふさわしいのは誰?みたいなことを言っているのか。メディアも国民が2の次だと思っているんですか?
ふるさと納税
ここからは幹事社以外の質問になります。
秋田魁新報さんの質問です。
『先ほど、この1年間コロナとの闘いに明け暮れたという御発言がございましたけれども、地方政策についてまだまだ道半ばだったと感じます。この1年の地方政策について総理はどう評価いたしますか。』
これに対して菅首相は、『私のある意味の原点は、ふるさと納税の創設』『インバウンドと農林水産品の輸出』と言っています。
確かに、その時ふるさと納税に反対した官僚を左遷したという経緯はあれど、ふるさと納税を創設したのは菅首相です。2008年なんで首相時代ではないですが。
この記事には問題点も載っています。
『「寄付とは名ばかりで、高級な返礼品をお得に入手するネット通販のように受け取られている。年収が多いほど税控除の金額が高く、金持ちほど得をするため、ますます格差が広がっています」』
今は返礼品無しで寄付のみのものもありますが、返礼品がある自治体が多いのも事実だし、それと税控除が目当てでふるさと納税制度を利用している人が多いと思います。「ふるさと納税は格差を広げる制度」こういう問題提起をした人を左遷したのが菅義偉さんです。
ということで、自画自賛、自ら誇っているふるさと納税にも問題があるということです。誰に向けて政治をしているのかがよくわかるひとつの例ですね。
Go to トラベル
TBSさんの質問です。
『総理はどういった状況に、環境になればGo Toトラベル再開ということが可能だというふうにお考えでしょうか。』
これについて菅首相は、『本日決定した方針によれば、ワクチン接種の進捗状況だとか、あるいはワクチンや検査を受けた方については旅行を自粛する要請の対象には含めずに、感染状況を十分に踏まえて観光振興を行うことができるよう、検討するということが、今日の報告には書かれています。ですから、そういう中でGo Toトラベルも当然課題に上ってくるというふうに思っています』と言っています。
COVID-19の特性を考えれば、このコロナ禍で行った最大の愚策とも言えるGo to トラベルですが、政府はワクチン接種者に限るという条件のもと、その再開を考えているようです。
これはあくまで「今の感染拡大が収まったら」という条件付きでの話のようですが、わざわざこのタイミングで言うのは、衆院選挙前だから、という理由以外にはないんじゃないですかね。
ピンポイントな緊急事態宣言
シンガポールのThe Straits Timesさんの質問です。
『総理がこれまでと違ったやり方をできれば何をしますか。』
これに対して菅首相は、『できる限り国民の皆さんの生活に影響しないような形でピンポイントでこの対策を講じるということが極めて大事だというふうに思っています。そういう中で専門家の委員の先生方の意見を聞きながら、やはり感染拡大をする中で飲食、そうしたことに対応して、世界と違ってピンポイントで行ってきたということは、これは事実であります』と答えています。
『世界と違ってピンポイントで行ってきた』ことによって、東アジア最大の感染拡大国となったわけですね。じゃあ間違っていたってことでは?多くの死者が出て医療崩壊を起こしている国のトップが誇れることではありません。
そもそも質問に答えていないな、とも思いますが、もしかしたら今までやってきた自分の選択に自信を持っているのかもしれません。これだけ多くの人が亡くなっているのに。
謙虚さが微塵も感じられないってスゴイですね。
総裁選、河野太郎さんが立候補
NHKさんの質問です。
『総理が立候補しないという表明をされたことで、菅内閣の一員ということで自重してきた河野さんが立候補表明するということになったわけですけれども、このことについてはどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。』
これに対して菅首相は、『総裁選挙に出馬するしないというのは、やはりそれは政治家として閣僚であっても判断をして、論争をしっかりやって活性化していくということが極めて大事だというふうに思っています。ですから、いろいろな方が立候補して論戦を張っていくことは、考え方を述べるということはいいことじゃないかというふうに思います』と言っています。
今の菅政権の中にいた閣僚なんですけど、どんな顔して総裁選に立候補しているんだろうと思います。だって、支持率が低迷したのは、国民に望んでいない道を示したからで、河野太郎さんはその菅政権の一員なんだから、むしろその責任を問われる立場のはず。にもかかわらず、何故国民に人気があるとなっているのか?本当に疑問です。
河野太郎さんが、菅政権を批判した上での立候補ならまだしも、そうではないでしょう?まぁ自分が中にいたのに批判したら、それはそれでいわゆる「お前が言うな」案件ですが。
ちょっと何言ってるかわからない
ニッポン放送さんの質問です。
『コロナと総裁選の準備ということで莫大なエネルギーが必要だ、総理はこうおっしゃいました。莫大なエネルギーというよりも、菅降ろしのエネルギーに気圧(けお)されたのではないかというのが正直な印象があるのですけれども、総理の今おっしゃった莫大なエネルギーというのは一体どういうものなのでしょうか。』
これに対して菅首相は、『私自身、莫大なエネルギーと申し上げましたのは、正に莫大なとてつもないエネルギーが必要だなと思いました』と答えています。
ちょっと何言ってるかわからない。小泉進次郎さんに対抗しているんでしょうか。
ヨイショ質問
産経新聞さんの質問です。
基本気になる部分を抜き出していますが、今回はほぼ全文です。
『総理のこの1年間、どのような思いだったかということをお聞きしたいと思います。先ほど総理は、避けては通れない課題に果敢に挑戦してきたというふうにおっしゃいました。東京電力の福島第一原発の処理水の海洋放出であるとか、あるいは75歳以上の高齢者の窓口負担の引上げ、さらには日本学術会議の会員任命拒否の問題であるとか、コロナ対策でも経済と社会の両立というのは世論調査を見るとあまり評判がよくなかった政策だったと思います。選挙、衆議院選挙があるということは分かっていたので、支持率を減らしかねない政策判断というのを回避するということもあり得たと思うのですけれども、それでもなおこういった評判が悪かったり、あるいは支持率を下げるかもしれないといったような政策に取り組んできた理由、あるいは総理の思いをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。』
私にはこの質問、菅首相に対して好意的な質問だと思いますが、どうでしょうか。
これに対して菅首相は、『必要な政策は先送りしない』と胸を張ったあと、『これは私はできなかったのですけれども、国民の皆さんに説明して、理解をしてもらうのが、これは政治の役割だというふうに思っています』と、反省する一面を見せました。
菅首相が思う『必要な政策』が、国民にとって不要・または今やるべきじゃない政策だからこそ支持率が落ちたんですよ、ということを付け加えておきましょう。
そもそもなぜ役員人事に取り掛かろうとしたのか
毎日新聞さんの質問です。
『総理は役員人事をされようとしておりましたけれども、そもそもこのタイミングでなぜ役員人事に取り掛かろうとしたのか』
これについて菅首相は、『私自身、様々なシミュレーション、解散のシミュレーションとかいろいろなシミュレーションを行ったということも事実』『そうしたことを考える、あるいはまた役員人事、これは自民党の総裁の専権事項ですから、そこは総裁として、役員人事というのはやれればやりたいという思いで』と答えています。
ちょっと何言ってるかわからない。痛いところ突っ込まれたんでうろたえたんでしょうか。
なんで役員人事やろうとしたの?という質問の答えにはなってないですね。
入国者の待機期間が14日から10日間に短縮
ジャパンフォワードさんの質問です。
『現在、海外で注目を集めているのは、日本の水際対策です。海外で緩和する方向にあります。日本入国者の待機期間が14日から10日間に短縮されるとの報道がありました。今後、経済的に、再開と水際対策はどのようなバランスを取るとお考えでしょうか。』
これはなんだ?と思ったので調べてみました。
こちらにある動画を観る限り、経団連の希望なだけで、科学的根拠は特に示されていません。
2021年1月22日の記事です。
『港区みなと保健所や千葉大などの研究チームは22日、現在の14日間を7~10日間に短縮できる可能性がある、との調査結果を発表した。』
この可能性の根拠は、『2020年4月から11月までに感染が判明した区民1606人のうち、同居者も感染した117カ所の257人を調査。先に発症した117人に比べ、同居者140人が後で発症したのが何日後だったかを検証した』という研究結果からきているようです。
みなと保健所の松本加代所長の意見として『「少なくとも10日で95%は発症しているので、健康観察期間を10日に短縮することも可能ではないか」』とのこと。
5%は無視しても大丈夫なの?とも思いますが、この記事の2021年1月よりも今の日本は変異株に溢れています。海外で緩和する方向があるとありますが、大丈夫なんでしょうか。
菅首相は、『ビジネス界からのニーズも非常にある』『ワクチン接種の進展と諸外国の動向、さらに国内外の感染状況などを踏まえて』とのことで話が終わっています。
海外から注目を集める日本の水際対策。実験場としてですか?
犠牲者は国民。こわ。
まとめ

Photo by Mark Timberlake on Unsplash
まぁ相変わらず、という感じでした。
ただ、もう辞めるから、という気持ちになるのは恐らく良くありません。
コロナ対策、そして質問の中で自ら言っていた北朝鮮の拉致問題解決へどういった行動をするのか、これからも菅義偉氏には注目ですね。
ということで。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
では。
コメント